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決議の方法と議決権について規約集をしっかり確認しましょう

公開日:  最終更新日:2014/11/28

前回、「総会に出席しない場合は委任状で参加」と書きましたが、今回はこの委任状=議決権についてご紹介いたします。

規約集はマンションのルールブック

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マンション購入時、「規約集」というちょっと分厚めの冊子を頂いたかと思いますが、皆様、目を通されましたか?

この規約集、区分所有者にとっては、とっても重要なルールブックなのです。規約集の内容は、「基本マニュアル」ともいうべきモノが存在しておりまして大筋においては、どの分譲マンションでも内容は大体において似通った事が書いてあります。

加えてそのマンションに必要であるオプション、例えばペット飼育OKであれば、ペット飼育に関しての規約であったり、楽器OKであればそのルールが書いてあったりする訳です。

総会に出席できるのは区分所有者と区分所有者から委任を受けた代理人

さて、この規約集の中で例えば「この項目を変更したい」と思う条項があったとすればそれは区分所有者の皆さんに関わる事ですので、全員の意思を確認しなくてはいけません。賛成、反対の意思を確認する為に総会を開き、話し合いをして多数決で決めます。

総会に出席できるのは区分所有者と区分所有者から委任を受けた代理人が参加できます。区分所有者は1戸につき1人ではありません。例えば、ご主人と奥様の共同名義でマンションを購入されている場合、お二人が区分所有者となりますのでお二人とも総会に参加できるのです。

二世帯家族で共同購入の場合は1戸に4人の区分所有者がいても不思議ではありません。しかし、この区分所有者お一人ずつに議決権はありません。議決権は基本的に1戸につき1票です。

法律では所有している床面積の割合に応じて決めることもありますが、不公平が生じますので分譲マンションの多くは1戸=1票を採用している事が多いようです。ですからお二人(以上)の意見が違っている場合は、ご家族で話し合ってどちらかの意見にまとめて頂き、1票を投じる事になります。

総会での決議は多数決で決められる

総会に参加できない方は、総会前に採決が必要な議題の資料が届けられますので内容を確認し書面で、賛成・反対などの票を投じる事ができるのです。分譲マンションでは、ほとんどの事が多数決で決められます。

そして、この多数決の割合が規約集に書かれているのです。例えば定例総会の開催などは「半数の賛成で可決」や少し込み入った内容なら4分の3以上、もっと難しい問題の場合は5分の4以上等々です。

例えば総戸数100戸のマンションで書面参加が45票、出席者が5名の総会の場合、100人以上いる筈のマンションの総会が5人で開催されちゃうのです。ちょっと空恐ろしい気がいたします。1票の重さを感じますね。

オーナーがいない部屋の議決権は販売会社が所有する

また、ナビ美のお友達が2年前にマンションを購入した時のお話なのですが、当時このマンションの売れ行きが芳しくなかったらしく竣工半年前の時点で総戸数の5分の1しか売れておらず、勉強熱心なナビ美の友人は「もし売れ残ったら販売会社が5分の4の議決権を持ってしまう…マンションの行く末は販売会社の言いなりになる!」とものすごく心配し、規約集を抱えてナビ美の家にやってきた事がありました。

そのマンションの規約集を見ると、込み入った内容の議題の可否は「一定数の議決権で可否」となっておりました。ということは、過半数以上の議決権を持っている販売会社の「Yes! No!」により例えばペットがOKになったり、ペット禁止になったりする訳です。

残念ながら、お友達の心配を払拭することが出来ませんでした。ただし、もっと難しい問題の可否については「一定数の区分所有者と議決権で可否」とされておりました。

「こんなに売れ残ってるんなら、壊しちゃう!」と販売会社が希望しても議決権では販売会社の勝利ですが、区分所有者数でいうと会社は「1」お友達側は最低でも「4」以上の区分所有者がいますので、お友達側の勝利となります。

「だから全ての事が販売会社の思い通りにはならないよ。」と慰めるにとどまりました。その後、お友達のマンションは竣工前ギリギリに無事に完売となり、事なきを得ましたがこういう事例は少なくないようです。

マンションの区分所有者の割合に応じて、公平な意見が届かなくなる恐れもありますので総戸数に対して区分所有者が何人いるのか?議決権は何票あるのか?を知っておくのは重要なことです。規約集の内容を確認して、ご自身のマンションには不向きな条項があった場合は早めに解決しておいた方が良いです。

面倒くさくても、規約集には目を通しましょうね。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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