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宅配ボックス設置前に必ずチェックする事

公開日:  最終更新日:2017/02/17

宅配ボックス利用者

この記事では、宅配ボックスの設置検討をする際にこれだけは抑えておくべきという点を網羅的に集め、解説をしています。マンション管理組合や賃貸オーナーのお役に立てれば幸いです。

新築分譲マンションでは既に標準設備となった宅配ボックス。荷物が届く時間を気にせず外出できることや、再配達の手配が不要なことが共働き世帯やひとり暮らしの方を中心に支持を集めています。

欲しい設備の常連

宅配ボックスの有無は、マンションの購入や賃借を決める判断に大きな影響力があります。マンションの設備ランキングでは毎回上位に入るほど人気です。

人気設備

新築分譲マンションへの設置率は高く、8割・9割を超えます。今まで宅配ボックスが無かった物件でも大規模修繕を機に導入を進める管理組合は多いです。

付加価値設備だったのが、今ではあって当たり前の設備となりました。

家賃が上がっても欲しい設備2位

賃貸においても宅配ボックスは居住者からの需要は高く、多少家賃が上がっても欲しいサービス・設備で2位にランクインするほどです。

空室対策に期待

宅配ボックス導入のメリットは何と言っても他物件との差別化がしやすい点です。今やお部屋探しの情報源は物件情報サイトが主流です。2015年のリクルートのデータによるとPCとスマートフォンで81%を占めます。

物件情報サイト

昨今、不動産投資が活況で人口減少と反比例するように物件が増えています。その結果、都内の空室率が3割を超えるというデータもあります。

膨大な物件情報、つまり競合物件の中から所有する物件を見つけてもらうには、需要が高い割に競合が少ない設備を導入するのが効率が良いと言えます。

それが宅配ボックスです。例えばsuumoで検索しますと、人気エリア吉祥寺における宅配ボックスの設置率は約15%程度です。(3,245/21,808件 ※2016/12/06現在)

物件情報サイトは条件を入れて絞り込んで探すので、お客さまの『条件検索』から漏れてしまうと存在に気づいてすらもらえません。

ニーズのミスマッチが起きている設備を探しだして対策をすることが入居率や満室率の向上へと繋がります。

賃貸でも設置進む

上記のような状況を受けて、賃貸物件でも感度の高い大家さんを中心に設置が進んでいます。賃貸マンションに宅配ボックスを導入したオーナーさんに導入に至った経緯を聞く機会がありましたのでご紹介します。

大家さん

藤田オーナー:
私には一人暮らしをしている子供がいます。普段色々な荷物を送るのですが、子供も忙しいためタイミング良く荷物を受け取ることがなかなかできません。

そんな時、宅配ボックスがあれば、時間の制限なく荷物の受け取りができ便利だと思いました。親として、単身者物件には宅配ボックスがあった方が良いと考えたと言うわけです。

親としての実体験から単身者物件には宅配ボックスが必要であることを感じたようです。また、別のオーナーさんからは入居率のアップ、退去率の低下に期待する声もありました。

ダイヤル錠タイプは配送業者が敬遠する

宅配ボックスは配送業者にとっても便利な存在です。しかし、配送物の取り扱い個数が急増で忙しいにもかかわらず宅配ボックスを使わない事があるのです。

宅配ボックス使ってくれない

宅配ドライバーさんに「宅配ボックスを利用しないの?」と尋ねてみたところ、「宅配業者が暗証番号を設定するタイプの旧式の宅配ボックスではトラブルが多いため、基本的に不在の場合は持ち戻りと決められているんです。」とのお答えでした。
引用:暗証番号式の宅配ボックスを宅配業者さんが敬遠する理由

トラブル対応が大きな負担に

主に機械式と呼ばれる宅配ボックスは電源を必要とせず、ランニングコストがかからないため導入がしやすいことがメリットです。鍵は主にダイヤル錠が採用されています。

ダイヤル錠

問題なのがこのダイヤル錠です。配送物を預け入れた後に配送業者が設定した暗証番号は、不在お届け票に記入され、郵便受けに投函されます。

このお届け票を取り出し、荷物を盗み出す犯罪や、配送業者による暗証番号の書き間違いが起こることがあり、トラブルを回避するためにそもそも使わない判断をするようです。

例えば配送物が盗まれた場合。いつまでたっても荷物が届かないことに気づいた受取人によって配送業者に連絡が入ります「届かない」→「届けました」→「受取人イライラ」

その後、警察を呼んで事情聴取、もしくは購入店との協議によって弁償措置がとられ再配達。神経も労力もすり減らすことに。当然、管理者である管理組合や管理会社、賃貸オーナーにも労力がかかります。

関連記事:オンライン宅配ボックスへの交換が急増中

配送業者は一度の配送で完了できる利便性を捨てて再配達。せっかくの宅配ボックスなのに、受取人の利便性も損なうことになります。

どの機種がオススメなの?

3タイプの宅配ボックス

宅配ボックスには大きくわけて3タイプの管理方法の機種があります。ネットワーク管理式、自主管理式、機械式です。ここに暗証番号式や非接触キーなどの操作方法のバリエーションが加わってきます。

結論から言えば、自主管理式以上の機種で、カードキーによって解錠をするタイプがオススメです。より、アフターケアの充実したメーカーだと尚良しです。宅配ボックスを導入する上で3つのポイントがあります。

集客(これから住んでもらう人の対策)

所有する物件に新たに入居してもらうことを考えれば『宅配ボックスがあります。』とだけ言えればいいのでどんなタイプでも良いかもしれません。しかし、機種によって満足度は大きく違います。

満足度の向上(住んでる人の対策)

セキュリティ対策が満足ではない機種では、配送業者が使ってくれなかったり、盗難の心配、私物化で常にボックスが埋まっている、トラブル対応に費やす時間が長いなど、負担が大きいことがあり、物件の満足度を下げます。

結果、より満足度の高い物件を求めて引越して行ってしまいます。ライバル物件が増えている今、住んでいる方の退居抑制につながる設備・サービスの導入が重要です。

管理側の負担軽減

顧客満足度の向上は重要ですが、手間がかかりすぎては継続した運営はできません。管理組合や管理会社、賃貸オーナーの方にとっては、アフターのサービスやケアの充実度に着目して下さい。

宅配ボックスのパイオニア

宅配ボックスのパイオニアフルタイムシステム

フルタイムシステムが世界で一番最初に宅配ボックスを販売開始したのが1985年です。弊社、フルタイムシステム代表取締役の原幸一郎は、もともとマンション管理事業をしておりました。

当時、配送業者が配達してきた居住者宛てのゴルフバッグを管理事務所で預かるのですが盗まれてしまい、そのトラブルが宅配ボックス開発のヒントになりました。

受取人の利便性の向上ではなく、管理会社さんの負担軽減が目的でスタートしていますので、ただのロッカーにならない管理体制が強みです。

24時間体制のコントロールセンター

導入事例

フルタイムロッカーの導入事例をいくつかご紹介します。

フルタイムロッカーの導入事例

場所:埼玉県戸田市
住戸数:42戸
導入ボックス数:10ボックス
管理タイプ:ネットワーク管理 ICカード式

通路の幅は1.2m確保

場所:岡山県岡山市
住戸数:42戸
ボックス数:5ボックス
管理タイプ:スタンドアローン管理 磁気カード式

フルタイムロッカー導入事例

場所:兵庫県伊丹市
住戸数:109戸
ボックス数:10ボックス
管理タイプ:スタンドアローン管理 暗証番号式

ちなみに、ご紹介の事例の導入当時は住戸数の約15%を目安としておりました。配送物の取り扱い個数が急速に伸びている昨今の状況も鑑みて、現在では住戸数の20%をご提案しております。

種類

(1) ネットワーク管理式

ネットワーク管理宅配ボックス

管理センターとインターネットでつながっていて、24時間態勢で遠隔監視(管理)されています。トラブル発生時などの対応が迅速です。

単純にコールセンター機能(サポート)がある宅配ボックスとは異なります。現在、国内(世界?)で唯一、このシステムを有しているのがフルタイムシステム社です。

扉が開かない、操作キーを無くしてしまったなど、なんらかのトラブルが発生しても、管理センターから遠隔で解錠操作が可能なので、管理者の現地出動の手間を省けます。

受取人も、管理者や管理会社の担当者の到着を待たずに荷物を受け取ることができるので非常に便利です。

直接通知可能
荷物の取り忘れや、倉庫代わりの独占利用(他の宅配ボックスのシステムでは結構問題になっているらしい)している場合、利用者に直接連絡(メールなど)をすることで、荷物の取り出しを促すことが可能です。

遠隔操作で住民情報更新
利用者にとっても管理会社にとっても面倒な、入退去時の手続きも、管理センターやカスタマーサイトを介して、利用登録・解除手続きが可能です。

(2) 自主管理式

自主管理宅配ボックス

コンピュータで制御されており、受取人に予め配布されている操作キー(磁気カードや非接触キー)で宅配ボックスの扉の開閉が可能です。暗証番号設定などの手間が不要です。

また、荷物が届いた際、携帯電話にメール連絡が入るなどのサービスもあります。ただし、トラブル発生時には管理者や管理会社による自主的な管理が必要となります。

(3) 機械式(ダイヤル式)

機械式宅配ボックス

配送業者が配送物を宅配ボックスに入れて任意の暗証番号でロックをかけ、不在連絡票にその番号を記載し、受取人のポストに投函しておきます。

受取人は帰宅後、その暗証番号を確認の上、宅配ボックスを開いて荷物を受け取る仕組みです。配送業者がトラブルを恐れて使いたがらないという傾向があります。

(4) 戸建・簡易式

戸建宅配ボックス

マンションの共用設備としての利用がメインでしたが、戸建住宅へもその需要は拡大していきます。簡易的な布袋や折り畳みコンテナのようなタイプの製品も生まれました。個人で自作するなんて話も聞きます。

しかし、これらの簡易的な宅配ボックスはセキュリティ面の脆弱性からかその普及状況は限定的な様です。

注目を集めているのは集合住宅と同様にクリーニングの受渡しや荷物の発送ができるタイプの宅配ボックスです。荷物の取り出しは配送業者が決めた暗証番号ではなく、自分が任意で設定した暗証番号で行うコンピュータ方式ですとセキュリティも安心です。

ボックス数は住戸数の20%が目安

宅配ボックスの設置を検討していてまずはじめに気になるのが、必要なボックス数と置き場所の問題です。

フルタイムシステム社では、ネットワーク管理によって集められた膨大な利用データから、マンションの住戸数に対するボックス数の目安を『住戸数の約20%』と算出し、ご提案しています。

住戸数に対するボックス数の目安

例えば、50世帯では10ボックスが目安です。10ボックスの基本構成はS:7箱、M:2箱、L:1箱の3列構成になります。

50世帯の場合10ボックス

必要な設置スペース

同じく上記の条件では、外形の寸法はW1,500mm×D600mm×H1,800mmです。1列の横幅は500mmです。

設置の際には消防法や火災予防条例の規定で、避難経路の妨げにならないように通路の幅を1.2m確保しなければならないけませんのでお気をつけ下さい。

通路の幅を1.2m確保

関連記事:宅配ボックス設置に必要なスペースとボックス数の目安

使い方

宅配ボックスの使い方

宅配ボックスの主な操作は預け入れと取り出しです。機種や操作キーによって若干使用方法が変わりますが、操作キーをかざして音声ガイダンスに従うという基本的な操作は同じです。

関連記事:宅配ボックスの使い方

入れちゃダメな物

生鮮品や腐食しやすいものや動物などの生ものや、発火、引火、爆発のおそれがある危険物や劇薬物は入れることができません。宅配ボックスを傷つけたり壊す可能性のある物はやめてください。

生鮮品

ただし、用途に応じた専用ボックスであれば生鮮品の預け入れも可能です。冷蔵機能が付いた宅配ボックスや、出前の器を返却するためのボックスもオプションで道入することができます。

防犯に有効

配送業者を装った強盗事件が増加しています。防犯対策でカメラ付きインターホンの普及も進みましたが、見慣れた配送業者風の制服を着た人から「お届けに参りました」なんて言われたら疑いようもなくドアを開けてしまいます。

強盗

2008年11月には元厚生事務次官を狙った連続襲撃事件がありました。大きなダンボールを抱え、配送業者を装って玄関を開けさせる手口がマスコミで報道されると、宅配業界には大変な影響を及ぼしました。

「インターホンで名乗っても信用されない。お客さまは玄関ドアの内側のチエーンを掛けて、少し開いた隙間から荷物を確認して初めて、玄関ドアを開けてくれる。宅配効率が極めて悪くなった」「インターホンのカメラ越しに『社員証を見せろ!』『配達上を見せろ!』と要求されることも少なくない。」宅配便のセールスドラィバーは困惑顔だ。
引用:宅配業者を装った犯罪背景に、宅配ボックスでセキュリティ対策

受取人、配送業者の双方に深刻なストレスを強いる事となりました。

宅配ボックスで防犯対策

マンションの管理組合や管理会社からは防犯対策への意識の高まりから宅配ボックスへの問合せが急増。配送物を無人で預かることができる宅配ボックスの有用性が改めて認識された出来事でした。

街置きロッカー

はこぽす渋谷駅

宅配ボックスを語る上で今最も注目なのが街置きタイプです。増え続ける配送物の取り扱い個数と再配達は配送業者のキャパシティを超え、慢性的な人手不足を引き起こしています。

Eコマースで買い物する人が急速に拡大しているからです。2009年に6.7兆円だった市場規模は2015年には約2倍の13.8兆円に成長しました。同じような成長率で配送物の取り扱い個数も増えています。

EC市場規模

受取人の不在を気にせず一度の訪問で配送物を預け入れできることは、業務効率の改善に大きな効果があります。そこで、国土交通省が主導で、配送業者、通販会社が連携して駅や事業所への宅配ボックス設置が進んでいます。

フルタイムシステム社は日本郵便と「はこぽす」を開発し、まずは都内の郵便局や駅を中心に設置され運用が開始しました。ヤマト運輸は「PUDO」を開発。首都圏の駅を中心に設置されています。

宅配ロッカーの設置セレモニー写真は国土交通省庁舎への「はこぽす」展示セレモニーの時のもの

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