>宅配ボックスのお問合せ<

住生活基本法で住まい選びが変わる

公開日:  最終更新日:2016/09/13

cf56b5d395607c64eb6f46220f340095_m

皆様は住生活基本法をご存知でしょうか?近年、豊かな暮らしへ続く住まいの質の向上を目的として、2006年に住生活基本法が施行されました。

不動産広告などに「住宅性能表示○○」と記載されたものも見受けられるようになりましたが、どういった内容なのか具体的にご紹介したいと思います。

量から質へ

戦後から高度経済成長期へと続いた住宅不足ですが、政府の建築計画法などの尽力により昭和50年代にはようやく住まいの供給バランスがとれたといわれています。水準をクリアすると誰しも「質」の向上をのぞむものです。

住宅においても、質の良い住宅に長く住むという思考が波及しはじめました。世代を超えて良質の住宅に安心して長く住めるようにというエコロジー発想にも後押しされた形で住生活基本法が制定される事となりました。

住宅性能表示

「住宅の質」と一口でいっても、様々な質があります。最近ではシックハウス、耐震強度など構造上の安全も質に含まれています。

住生活基本法では、住生活基本計画という条項を策定し、具体的な成果指標を提示しています。第三者機関が、その住宅の性能をチェックし安全性や住まい性などの一定の基準を確認し、情報公開することを目指しています。

これはデベロッパーにとっても消費者にとっても、住まいへの信頼性が高くなりますので大変有効な法律です。適切な情報公開は欠陥住宅が少なくなるというメリットもあります。

中古マンションにおいても、共用部のユニバーサルデザインの推進や省エネルギー対策など既存の建物にも手を加える事により住宅性能を向上させ、資産価値を高める対策として近年では積極的に対策が講じられています。

ニーズに合わせた住まい

最近の新築マンションの広告を見て感じておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、近年の新築マンションには「コンセプト」や特化した売りがあるようです。例えば、省エネマンションやオール電化、ペット共生住宅なども入りますね。

住生活基本法では、こういった消費者の多様化・高度化するニーズに合わせた個性的な住宅が作り出される事も重要なファクターと考えられています。

また一方で住宅ストックについても力を入れています。近年に問題となっております、増える空き中古住宅の問題にも、適切な維持管理をする事で質の良い中古ストック市場を開拓しようという動きが出ております。

空き中古住宅問題は、日本人の生活スタイルの急激な変化と、どんどん作り出される最新の住設備により住宅が時代遅れのものとなり、消費者の関心から外れてしまうという点でした。

住生活基本法では、中古住宅の設備などの改善を行い、それを消費者の目にわかりやすく「住宅性能表示」という形で明確に表示させる事により、中古住宅の活性化を図ろうと考えられています。

マンション(住宅)の適切なメンテナンスにより資産価値が高めれば、適正な価格で住宅が売買されますので、住み替えがしやすくなるというメリットがあります。

社会人・新婚時代は、通勤に便利な街のマンションに住み、家族が増えればより広い住まいに、高齢になれば、ユニバーサルデザインが行き届いた住みやすいマンションへ、とライフサイクルに応じて住み替えがスムーズに、暮らしが豊かになる未来を考えた法なのです。

住生活基本法の基本水準

住生活基本法では、その地域にあわせた良好な住環境を築く為に基本水準が設定されています。

自然災害や地震、火災などに対する安全性の確保、日常生活の安全性の確保、環境保護 といった安全性の基準

ゆとりのある空間や緑の多い景観など周辺環境の美観や豊かさの基準

周辺環境の持続性や地域住民、区分所有者間の良好なコミュニティ、環境負荷への配慮といったソフト面での持続性

ユニバーサルデザインの採用や高齢者・子育て世代などに対する各種生活サービスへの良好なアクセスも基準とされています。

建物だけではなく、安全性や防犯面、周辺環境との調和や環境維持など、安心して住まえる未来へ繋げる住環境つくりを整備する住生活基本法なのです。この法の更なる普及と活躍に期待したいですね。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

シェアありがとうございます