>宅配ボックスのお問合せ<

宅配ボックスは誰のものか?オムニチャネルに求められる物流改革

公開日:  最終更新日:2017/02/07

オムニチャネルという言葉が小売業界で話題になっています。セブン&アイHDや、イオンなど、大手企業が力を入れて取組まれていることもあってか経済誌で特集を見る機会も多いです。

調べてみてわかったのは、その言葉の解釈や定義は事業者によってまちまちだということ。ピンときていないという方も多いのではないでしょうか。

オムニとは、ラテン語で「すべて」という意味です。顧客との接点(チャネル)を増やし、その全てをシームレスに連携させて顧客にアプローチすることをオムニチャネルと定義していることが多いです。(システム屋さんの戦略かもしれませんが)

チャネルの例として出されるのが、実店舗と、PC、スマホ。経済産業省が発表した、平成 24 年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)によると、日本の2012年のEC化率は3.11%だそうです。

電子商取引に関する市場調査
参考資料
http://www.meti.go.jp/press/2013/09/20130927007/20130927007-4.pdf

すでに巨大なマーケットに成長した感のあるEC業界ですが、まだまだ大きな成長が期待される業界であることが分かる数字です。

音楽業界では電子化が進み、ネットがリアルを奪うような状況もありますが、セブンやイオンはEC化率を高めることによって、実店舗との売上を食い合うのではなく、新たな需要を呼びこむことを期待しているのだと思います。

オムニチャネルとクロスチャネルの違い

でも、今までもECと実店舗両方あったけどオムニチャネルって何が違うの?という疑問があると思いますのでご説明します。

オムニチャネル

「マルチチャネル」では、実店舗とECサイトがそれぞれで完結していた購買活動。顧客情報の共有はありませんし、取扱商品が違うこともあります。

それが、「クロスチャネル」では、「商品」を中心に、実店舗とECサイトでの取扱商品や、物流の連携がされるようになり、ネットで注文した商品を実店舗で受け取ることを可能にしました。

オムニチャネルでは、一人ひとりの「顧客」を中心にとらえ、全てのチャネルで顧客情報をシームレスにつなぎ、購入に至るまでを全てのチャネルから、そのプロセスごとに最適化されたアプローチによって、消費行動をお手伝いするのです。

今までもペルソナを設定することによって想定顧客を接客するマーケティング手法がありましたが、実際の顧客ごとに最適化された情報を提供することにより、購買やファン化に繋げるのが目的です。いよいよ顧客情報というビッグデータの有効活用が重要になってきたようです。

ネットスーパーの物流コスト削減に宅配ボックス

さて、オムニチャネルに力を入れているのはセブンやイオンだけではありません。スーパーの西友では、ネット注文専門の拠点の設置を進めていたり、また、ネットで注文した商品を駐車場に置かれたロッカーから受け取ることが出来る、ECと実店舗のハイブリッドのようなサービスが3/16から開始されました。(長野県西友元町店限定)

うけとロッカー
画像引用:SEIYUドットコム
https://www.the-seiyu.com/front/guide/cc

ネットから注文して決済も済ませておくことによって、店舗内を歩きまわらずに商品を受け取ることができます。新しい需要喚起によって、顧客との接点を広げようという取り組みです。

ネットスーパーの需要は高いものの、物流コストがボトルネックとなっています。店舗受け取りロッカーによる物流コスト削減が期待されています。

Amazonにおけるオムニチャネルとは

実店舗がECというチャネルの強化を進める中で、EC専門の事業社も新たなチャネルの開拓が求められているのは間違いありません。ネット通販大手のAmazonもまた、オムニチャネルに力を入れる事業社です。

Amazonにおけるオムニチャネルとは、取扱商品の拡充です。え?そんなことがオムニチャネルなの?と、思うかもしれませんが、取り扱い商材が増えれば、顧客との接点が増えるというのは腑に落ちる理屈です。

Amazonが狙う領域もまた、「ネットスーパー」です。ドラッグストアで買えるような日用品はすでに充実しており、その需要の大きさから生鮮品の拡大が進められているようです。

ただの商品拡充ではなく、オムニチャネルとなりえるのは、顧客に最適化された優秀なリコメンドシステムの存在があってこそというのも忘れてはいけません。

また、以前から力を入れている時短配送。Amazonプライムによる当日配送だけでなく、自転車による1時間以内の超高速配送、ドローンといった最先端技術による配送、そして受け取り拠点の拡充です。

Amazonは以前から、購入した商品をコンビニで受け取れるサービスを展開していますが、2014年の11月にローソンと提携し、ローソンの店舗からAmazonの商品を注文し、レジで現金支払いするサービスを始めるという発表をしました。

今までネット通販に馴染みのなかった高齢者や、自宅に配達業者を入れたくないといった声に応えるサービスのようです。

楽天が日本郵便と提携して受け取りロッカー設置

楽天は日本郵便と提携して、都内郵便局に商品受け取りのためのロッカーを設置するとの発表が1月にありました。楽天で購入された商品で、ゆうパックとして配送される商品を都内郵便局に設置されたロッカーで預かってくれるサービスです。

楽天は、2014年の5月から大阪なんば駅、8月からは福岡駅で楽天BOXという同様のサービスの試験運用を実施中。いわゆる街置きのロッカーの導入に力を入れている様子です。

通販の再配達問題は、配達業者にとっても顧客にとってもコストでしか無く、煩わしく感じている方が多いのが実情です。Amazonと同じく、受け取り拠点を増やすことによって新たな需要を開拓するとともに、物流コストを減らそうというのが目的です。

駅やスーパーで商品受取り「街ロッカー」をリリース

インターネット通販の急激な伸びに伴い、物流業界では圧倒的な人手不足問題を抱えています。また、国交省がCO2抑制のために、宅配便の再配達を減らす対策を検討しており、宅配ボックスはその解決手段として期待をされているなど、ますます注目が高まっています。

この度弊社では、上記のような、社会的背景を鑑み、駅やスーパーなど、いわゆる街中に設置するための宅配ボックス「街ロッカー」をリリースすることとなりました。

街ロッカーは、物流や小売りの現場で、顧客がいつでも、最適な場所で、自由に商品を受け取るための宅配ボックスです。設置場所や仕様は、それぞれの企業にあった製品をご提案させていただきます。

弊社は以前より、マンションの外への宅配ボックスの設置を模索してまいりました。最初の試験運用は15年前にさかのぼります。ここで、過去の「プロトタイプ街ロッカー」を一部ご紹介したいと思います。

駅ITロッカー 2000年11月~

駅ITロッカー

駅ITロッカーは、フルタイムシステムと京浜急行電鉄、株式会社NTTデータ、NTTコミュニケーションズの4社共同による、駅構内を利用した新しいサービスの実験としてスタートしました。

設置されたのは京浜急行電鉄の品川駅京急e-デポ内、青物横丁駅構内、京急川崎駅構内の3ヶ所。駅構内に設置したフルタイムロッカーで、クリーニングの発送受取、DPEの注文、宅配便の発送ができるサービスです。

京急様の駅構内のサービス向上を目的とした実験で、モニターとして参加いただいたお客様は無料で利用していただきました。

2000年はeコマースが流行りだした時期。当時はまだ通販で購入した商品の受け取りはできませんでしたが、通販受け取りも視野に入れた実験でした。

フルタイムボックス 2001年8月~

フルタイムボックス

フルタイムボックスは、駅ITロッカーの進化版です。通販で購入した商品の受取先として指定でき、また、個人の荷物の保管や、会員どうしの荷物の受け渡しができ、決済はクレジットカードを使用するという未来を先どったサービスでした。

小田急新宿駅と、京王新宿駅に設置され、月極宅配ボックスとして、利用者さまから利用料を頂戴するビジネスモデルでした。

えるえるボックス 2003年3月~

えるえるボックス

えるえるボックス(不在持戻り郵便物保管ボックス)は、日本郵便様にご導入いただきました。夜間の持ち戻り郵便物を一時的にお預かりするシステムです。

冷蔵機能も付いていますので、ゆうパック・チルドゆうパックなどを区分けして安全に保管することができます。全国の30ヶ所以上の郵便局に設置され、業務効率化を目指した取り組みでした。

この他にも、コンビニエンスストアampmに設置した、書留郵便が受け取れるロッカーなどなど。成功ばかりではありません。時代が早すぎたかもしれません。しかし、だからこそ、その経験を活かして次の時代の宅配ボックスがご提案できるのだと自負しております。

宅配ボックスは誰のためのサービスになるべきか

弊社では、今、改めて、宅配ボックスは誰のためのサービスになるべきかを考えています。スーパー、コンビニ、通販会社、物流会社などなど。それぞれの企業にとってのメリットとは?一番頭を悩ますのがどこに置くかなんですけどね。

ここから先は筆者個人が好き勝手に「ぼくがかんがえるゆめのたくはいぼっくす」を考えてみましたのでご紹介します。ご容赦下さい。

アパレル系通販会社さん用宅配ボックス

通販会社さん、特にアパレル系の会社さんには自動販売機みたいな宅配ボックスとかいかがでしょう?駅に置かせていただいて、場所代として数パーセントお支払いします。

宅配ボックスには大きな液晶パネルがついていて、実寸のお洋服をARで試着することができます。専用のICカードで顧客情報を管理。電子マネー払いにすることでロッカーに現金を置かないようにします。

一ヶ所で1日5千円の商品が7点売れて35,000円×30日で100万円くらいの売上になったらいいなぁという試算です。もちろん利用者の多い駅だったらそれ以上の売上も期待できるでしょう。

スーパーさんに!防犯カメラをつけた宅配ボックスを公園に設置

公園といえばお子様連れの主婦の方が集まるかと思いますが、そこでネットスーパーで買った夕飯の食材を受取れたら便利ではないでしょうか。

子供の見守りのために公園に防犯カメラを設置するケースがよくありますので、自治体の方とその辺のことをゴニョゴニョさせてもらって防犯カメラをつけた宅配ボックスを設置します。

また何か思いついたら更新します~

シェアありがとうございます