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分譲賃貸での賃借人への理不尽な条件が問題に

公開日:  最終更新日:2016/09/13

理不尽

ナビ美のコラムでも度々、登場します「分譲賃貸」に今回はスポットを当ててみたいと思います。マンションを購入された区分所有者とは違う方が部屋に住まわれる事で生じるメリット、デメリッはどのようなものでしょうか?

分譲賃貸が好まれる理由

分譲賃貸は一般的な賃貸マンションと比べて、優れていることが多い点がいくつかあります。室内外設備のグレードが高く、防音対策なども徹底している事が多いという点。

賃貸と比較して管理人の常駐や防犯などセキュリティ対策が徹底しているという点。そして、居住されている方が「自己所有=経済力が高い=生活が安定していることが多い」という点。

また、月々の賃料も周辺の相場に合わせられる事が多く、思ったよりも賃料が低い事も分譲賃貸が好まれる理由の一つとなっています。

分譲賃貸ができる理由

オーナー(家主=その部屋の区分所有者)にとっては、諸事情により自身が住めなくなった場合、部屋を貸与することにより、特に水周りの乾燥による配水管やパッキンのヒビ割れ等の早期劣化を防ぐことができます。

誰かが居住することで専有部分のメンテナンスを行うことが出来、また、賃貸収入も見込める為、分譲賃貸をすすめられるようです。もちろん、最初から投資目的の場合もあります。

なお、賃借人の決定については、オーナーが仲介を依頼した不動産業者の選定によるところが一般的ですが、管理組合の中には居住中の住民と生活レベルを合わせるために一定の入居条件を提示し生活モラルの低下を未然に防いでいる管理組合もあるようです。

賃借人に理不尽な条件が問題に

賃借人にとっては大変魅力的な生活環境ですが、ネットなどのお悩み相談では「賃借人に理不尽な条件」を提示され困っている賃借人さんも少なからず多いようです。

よく耳にするのは「駐輪場や駐車場を使用する権利を区分所有者と同等にいただけない」というケースです。

賃借人にとっては「貸与している部屋の区分所有者の権利を自分が引き継げないのは何故?」と思うところですが、基本的に管理組合は組合員=区分所有者で構成されており、賃借人と直接のやりとりをしないのが一般的です。

管理会社フロントを介し、本来の持ち主である区分所有者が手続きを行うことになりますので、管理組合での手続きも必然的に遅れてしまうということがあります。

遅れてしまうだけならば良いのですが、面倒臭がって手続きをしないオーナーが少なくないのが現状です。そのため、無実の賃貸人が駐輪場を使用した際に、無断使用と勘違いされ、トラブルに巻き込まれてしまうというケースもあるようです。

また、駐輪場が既に飽和状態のマンションの場合は、区分所有者優先(賃貸人は長く居住しないであろう為)とされている管理組合も中にはあるようです。

管理組合への参加者が減ってしまう

分譲賃貸を行う区分所有者の場合、最初からご自身が住まわずに不動産収入を目的とする場合や転勤や家庭内の事情によりご自身が住む事ができないなどの理由からなります。

マンション住所より遠方で生活を強いられる区分所有者の場合は現状確認や、管理組合はもちろん理事会役員も「遠方なので」などの理由で参加できないことがほとんどです。

賃貸人の方はマンション運営に関わる機会が居住者に比べて極めて少ない為、居住者と意識レベルに差がついてしまうのはある程度は避けられません。もしくは管理組合への参加をお願いするなど、組合として賃貸人を巻き込む努力が必要です。

分譲賃貸を円満に成功させるには

賃借人がトラブルに巻き込まれない様に、オーナーの方は、不動産業者や管理会社フロントマン、管理組合と相談して細心の注意を持って対応するようにいたしましょう。

使用規則や細則の大事なポイントを賃借人に伝える事や、トラブルが発生した場合、どこに連絡したらよいのか?解決方法はどうするか?など、地道なフォローが重要です。

そして、区分所有者の方たちが賃貸人の方を「仲間はずれ」にするのをやめましょう。生活面での様々な快適さを求めて同じマンションで暮らす居住者という立場同士ですので、「気持ちよく暮らそう」という意識を持って生活してみてはいかがでしょうか。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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