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理事会役員の選出方法『輪番制』のメリット・デメリット

公開日:  最終更新日:2016/09/13

輪番制

前回、理事会が大暴走をしてしまったというコラムをご紹介させていただきました。会社や組織では「チームビルディング」という言葉が注目を集めてますが、仲間が思いを一つにして、一つのゴールへ向かって進んでゆける組織作りが、管理組合にも求められるのだと思います。

どうすれば良質な管理組合運営が出来るのか?今回は、輪番制理事会をテーマに考えて参りたいと思います。

輪番制理事会が推奨される理由

国土交通省や管理会社では、基本的に輪番制を推奨しております。理由としては「区分所有者全員が理事を経験する事で、自己財産としてのマンション管理に関心を持つ事ができ、主体的に働けるであろう」という点と「公平性」というのが大きな理由です。

時間経過とともに形骸化する輪番制

新築時のフレッシュな間や入居者の入れ代わりが少ないマンションの場合は輪番制はコミュニティの一環として上手に展開していきますが、賃貸化や高齢化が進むマンションでは組合運営への意義や関心が見出せず形骸化してしまうケースもあるようです。

区分所有者数が多いマンションでの輪番制では理事会交代スパンが長期化してしまう為、区分所有者自身が管理組合の目的を忘れてしまう事があります。

総戸数60戸のマンションでは、1年交代の輪番制で6人の役員が選出される理事会を運営されておられます。10年で1ターンの交代スパンとなりますので10年目にようやく役員となられる方がいる計算になります。

主体性のない役員と協力的でない組合員のケース

5年目に役員となられたAさん。まだ役員経験のないBさんに「毎年、要求している案件についての回答がない」「理事長だからって偉そうにするな」「お前の言いなりにはならない」などのクレームに付き合わされ、「なりたくてなった訳じゃないのに」と管理組合運営について嫌気がさしておられました。

Bさんも数年後には役員となって管理組合運営に携わって頂く事になっているのですが、総会に出席される事もなく管理組合運営に対する意識が希薄となっていました。

Aさんの役員であることへの主体性の無さや、Bさんの非協力的な姿勢など、「公平性」と「交代スパンの長さ」という特徴よく理解した上で輪番制の良い部分を活かすフォローが必要です。

小規模マンションですと、輪番制のスパンも短期間で全員に役員が振り当てられますので、

高い意識を持つことが重要

小規模マンションですと、輪番制のスパンも短期間で全員に役員が振り当てられたり、日常的にコミュニケーションがとり易い為、小さな意見も迅速な対応で解決しやすい傾向にあります。ただし、それもマンションに住まう方たちの意識次第です。

区分所有者全員の意識が高い管理組合は、マンション全体が資産価値を上げる効果が得られるように努力されていらっしゃいます。ここが、上手くいかない理事会との決定的な違いです。

次回は、良質な居住者レベルと健全なマンション運営を保つヒントをご紹介したいと思います。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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