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大規模修繕が行えないトラブル!投資目的所有者の無関心が原因

公開日:  最終更新日:2014/11/28

投資目的所有者の無関心

本当にあった怖いマンショントラブルの話をご紹介。この事例は築年数9年、7階建て総戸数36戸のマンションで起こったトラブルです。

状況によってはご自身にも同じトラブルが降りかかるかもしれませんので、ご自身の財産(マンション)に当てはめて同じトラブルを引き起こさないように読み進めて頂ければ・・・と思います。

「不動産投資にも最適」はご用心

このマンション販売時に売り文句の一つとして出ておりました言葉だそうです。最寄り駅から徒歩5分圏内、ビジネス街や繁華街にもアクセスが良く1DKタイプの住居はSOHOや単身赴任の方などの利用も多そうで、このマンションを購入された方の多くは投資目的であったのだそうです。

管理組合が機能しない

総戸数36戸の内、20戸近くが投資目的で賃貸化したマンションとなりましたので、管理組合役員は居住する残りの方が受け持たれていたのですが、議事案件が発生してもたいていの場合は賛成の委任状出席だけで理事会が進められてしまっておりました。

当初は理事会も管理会社も「関心がない=全て賛成なのだから、トラブルは少ないですよね。」などど笑って済ませていたのだそうです。

それから月日が流れ、問題提起が他の方から持ち込まれないまま「自己の財産を守る」という意識が働かなかった結果、管理組合としての機能が停滞する現象が起こっていたのだそうです。

管理会社が動けない

管理会社フロントとしては、問題が発生しても賛成委任状のみで議事案件がスムーズに通る管理組合は楽なのですが、修繕積立金を切り崩して共用部の補修を行っていたのだそうです。

しかし、補填する案件は出てこず、打診をしても「今、機能しているんだから管理費の値上げは先でよい」という区分所有者の言葉を受け、危機感を持ちつつもなす術がない状態のまま、日々の管理業務を行っていたそうです。

10年目の大規模修繕が出来ない

今年、大規模修繕を前に修繕積立金がまったく足りないという事実が発覚し、管理組合から臨時議事案として修繕積立金の一時徴収金を集めるという臨時総会を発足したのだそうです。

一時金は1戸に付き100万程度となり、今まで無関心であった投資目的区分所有者が騒ぎ出したのだそうです。投資目的区分所有者Aさんはマンション管理士Bさんを伴って初めて臨時総会に出席されたのだそうです。

マンション管理士の言い分

マンション管理士Bさんは、「管理会社と管理組合の職務怠慢による修繕積立金の一時徴収は納得できない。共用部の維持管理の怠慢が早期の修繕を必要とした責任は重い。

管理費の節約など今までにするべきであった問題に触れずに、いきなりの一時徴収は問題である」と根本的な問題から外れた発言をした為、臨時総会は荒れに荒れたのだそうです。

議事録を振り返る

管理組合側の方から相談されたナビ美はこのマンションの議事録を拝見させて頂いたのですが、共用部の小修繕に対する議事案件は投資家Aさんサイドは修繕案に賛成を出されておりました。徐々に修繕積立金を取り崩しているのはAさん達もご存知の筈なのです。

また、築4年目に提示された修繕積立金の欠乏に対する修繕積立金の値上げに対する案件は「まだ大丈夫」と拒否されており、記録上では完全に区分所有者サイドの見通しの甘さが露見した議事録内容でした。

マンション管理士Bさんは議事録をご覧になられていないようでしたので、次回の総会時に議事録コピーを配布するようにお勧めいたしました。

結果、マンション管理士Bさんは管理費削減について引き続き言及されたものの、小手先の管理費節約程度で済む問題でもなく、修繕積立金を値上げするという形で収束に向かいつつあるのですが、一時金徴収案は廃案とされ10年目の大規模修繕は先延ばしとなったようです。

築年数を経るごとにマンションは益々劣化していきますので、賃貸物件としての価値が下がれば、修繕積立金の不払いが増えるのでは?と管理組合では心配されておられます。自己所有財産を守る為に管理組合から配布される資料は熟読するようにしましょう。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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