マンションの屋外共用設備の導入メリット
前回はマンション内における共用施設の種類やユーザーの利用頻度やニーズが高いものを列記してみましたが、今回は屋外共用部について考えてまいりたいと思います。
公園、庭園
マンションの規模によっては設置が難しい場合もございますが、エントランス周りやマンション外周スペースに緑が植樹されていると癒し効果を得られます。
特に夏場はエアコン外気などマンションから出る熱を緑が吸収することによりヒートアイランド現象を和らげる効果もあります。
近年では壁面にゴーヤなどの蔓系植物を生えさせるビジネス系ビルなども目立っておりますね。アイビーなどの常緑蔦系植物は「アンティーク風マンション」のインテリアとして注目されています。
公園が設置できるスペースのマンションの場合は、公園がイベントスペースやマンション住民の憩いの場となりますので、マンション専用公園がある場合は特にファミリー世帯へのアピール度が高くなります。
駐車場・駐輪場
マンションの立地により、必要台数の確保目安が異なってまいりますが、特に駐輪場は立地に関係なくニーズが高い施設です。最近ではマンション専用の共用電動自転車などを設置し、必要な時だけレンタルできるというシステムがあります。
フルタイムシステム社さんの宅配ロッカーの場合、ロッカー内に電動自転車の充電が出来る設備があり、自転車をレンタルする際は「ロッカーを開けバッテリーと鍵を取り出すだけ」で自転車を使用することができます。
近年の「車離れ」「エコ、健康志向」の風潮を見ておりますと、特に都会部のマンションでは交通アクセスが良いため、「車を使わない」というライフスタイルが主流になりつつあります。当初からカーシェアリングを設定するなども新たな共用施設として今後ニーズが高くなっていくでしょう。
また区分所有者内での利用が満たない場合が想定されますので、外部向けの駐車場や駐輪場にするという事を想定しての駐車スペース、駐輪スペースの設置を検討する必要もあるようです。
マンションを購入する方のライフスタイルによって、必要な施設は変わってまいります。共用施設の維持管理の費用は区分所有者にかかってまいりますので、共用施設の内容についてはユーザーも深く吟味される事でしょう。
「共用施設の充実度が必要不可欠」「専有部分にこだわることができれば、共用施設は必要最小限でかまわない」などユーザーによって目的は違います。
ライフスタイルの変化に合わせた住み替えが推奨されている現在、世代に合わせたマンションを作り上げる事でユーザーにとっても満足度の高いマンションライフを提供する事に繋がるでしょう。
ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。