共用部私物化トラブルの効果的な解決策
「共用廊下に私物を置かない」これは賃貸マンション、分譲マンションに限らず基本ルールのひとつとして皆様ご存知の筈なのですが、往々にして「共用廊下私物化問題」が発生するようです。今回は共用廊下が私物化される原因とその解決方法について考えて参りたいと思います。
家庭環境の変化による私物化
これは、ナビ美在住(築年数12年6階建て総戸数20戸未満)のマンションでも発生しています。ナビ美を含め現在の入居者は新築時から入れ替わりが無いマンションなのですが、10数年が経過した現在、お子さんが生まれたり、ご結婚されたりなどで家族構成が変わり荷物が増えていった結果、廊下にお子さんの自転車が置かれたり、ベビーカーが置かれたりしております。
ナビ美マンションの場合は私が居住しているフロアは共用廊下に私物を出されている方はいらっしゃらないので気がつかなかったのですが、先日の役員定例会で各階の視察をする機会がありフロアごとに廊下の私物化が激しいフロアがあることに初めて気がつきました。
10数年同じご家族とのお付き合いとなっておりますので、「馴れ合い」になっているところがあるのかもしれません。現状はどなたからも苦情が出ていない為、そのままになっております。
新築時からの私物化
新築時に完売されているマンションの場合は、区分所有者の転居が概ね完了する引渡しから1ヵ月後くらいに総会が開かれ、管理組合が立ち上がりマンション運営の機能が動き出します。
引渡し後にまだ空き住居が目立つ場合などは管理組合や管理会社のマンション運営体制が整わず、マンションルールを導いてくれるキーパーソンがいないことを良いことに「チョット置いておくだけ」の軽い気持ちから私物化が常態化してしまうというパターンがあります。
解決方法
ナビ美マンションの様に小世帯の場合は区分所有者間での話し合いの機会が多く、長年のお付き合いでお互いの事情が分かっている場合は管理会社フロントからも管理組合からも違反をしている方に直接片付けるようにお願いする事ができますが、中規模以上になってくると直接交渉は難しいケースが多いようです。
張り紙をする
一般的な解決法としては、少々みっともないのですが、「廊下に私物を置かないでください」「自転車は自転車置き場に!」などのように違反をしている階に貼っていきます。
エレベーター内外や、エントランスに張り紙をし、違反がなくなった階や(細かく違反されている物品を「ベビーカー」「傘立て」などの様に指定している場合は)その違反物品が片付けられた時に張り紙を剥がしていくようにすると、多少の時間はかかりますが効果があるといわれています。
安全のためと直接説明する
「万一の事故や天災の際、避難通路を安全に確保する為、消防から整理整頓を言われていますので片付けてください。」と具体的な理由とともにお願いをするのが効果的です。
違反されている方のお人柄にもよりますが、管理組合理事長や管理会社フロントの男性(女性より男性の言う事を聞かれる方のほうが得てして多いので)の方からお伝えする方がさらに効果的です。
稀に「他にも私物化してる人がいるのに、どうして私だけに言うの?」と怒られる方もいらっしゃいますので、冷静に「○○さんだけに言っているわけではなく、皆さんにお願いして回っているところです。」と特定人物だけが対象でないことをアピールしておけばスムーズに事態が動く場合があります。
未入居が多く、「誰の迷惑にもなっていない」などと言われる場合は、マンション購入予定者が内覧に訪れた際にイメージが悪く購入を止める可能性が高い事、マンション資産価値を下げており、このまま空き部屋が埋まらない場合、いずれは管理費の値上げも考えられる事を訴えれば効果が有る場合もあります。
いずれにしても、問題を発見した時に早めに対処するというフットワークの軽さがポイントです。長期間、私物化を放置していては「今まで何も言わなかったのに」などと対応の遅さを指摘され、問題が摩り替えられる可能性もあります。
後々、問題になりそうな案件を見つけた際は早めに管理会社フロントや管理組合にお願いするようにしましょう。
ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。