失敗しない中古マンションの選び方
新築マンションも良いですが、自分の希望する場所に新築マンションはなかなか建ってはくれません。そんな時、検討するのは既にその地域に存在する中古マンション。今回は不動産業に関わるナビ美から中古住宅を選ぶ時のチェックポイントをご紹介してまいります。
近年では室内のリフォームだけでなく建物の性能向上を図るリノベーションを実施される中古マンションも増え、住居の資産価値や寿命が大幅に変化しています。住生活基本法により、中古マンションの整備も進んできておりますので、良いマンションにめぐり合うチャンスも増えてきております。
中古住宅のデータベース
前回、「不動産広告の読み方」でも記載しておりますが、広告には大切な物件概要が記載されています。しかし、マンションの様に複雑な建物の場合、構造や耐久性などが良くわからないのが現状です。
また、大規模修繕の記録やそれ以外の補修の履歴などは一般消費者にとっては調べにくい部分があります。中古市場が拡大する現在、設計図面や補修履歴などをデータベース化し、更なる整備と流通促進を図ろうとされています。
ニーズの多様化で変わる中古住宅
昔は「お金が足りないから、中古にしよう」というようなイメージがありましたが最近では町並みが評価され、建物自体の価値があがったり、レトロマンション、アンティークマンションの様に年月を経た事で建物に味が出て価値が高まる傾向があります。
冒頭でも言いましたが、ライフスタイルに合わせて中古住宅を選択する消費者も増えてきております。個性の多様化が言われる中、自分の生活スタイルに合った方法を考えて中古住宅を選ぶ人も確実に増えています。
まずは基本情報の確認
設計図面、補修記録が存在するか確認をいたしましょう。工事中の記録が残っていればベストです。分譲マンションの場合は毎月の定例理事会の記録が残っていますので、補修履歴や工事中の記録などは管理組合で保管されている場合があります。議事録は購入する意思がある旨を伝えれば閲覧させてくれるでしょう。
ただし、相応の年数が経過しているマンションの場合はデータが残っていない場合もあります。最近注目されているのは、建築現場に詳しい専門家による建物調査です。
調査内容により異なりますが、5~20万円程度の費用で、一般消費者にはわからない建物の構造や骨組み躯体などが、しっかりしているかどうかを調査してくれます。中古といえども1000~数千万のお買物ですので、念には念をいれたいものです。
物件見学のポイント
まずは室内を見る前に建物の外観を回ってみてください。建物と地面の間を見るだけで地盤沈下などはわかりますし、ひび割れなどの気になる部分の発見も先決です。
エントランス、廊下、ポストなどの共有部分も大きなチェックポイントです。共有部分のひび割れや放置された汚れなどは、管理組合が機能していない可能性が考えられます。
日常的にメンテナンスが行き届いていないと感じられる場合は、マンションの耐久性に大きく関わってきますので、共用部の確認は必ず行うようにしましょう。
また共同性格の始まりともなりますので、可能であれば住人の方とお話が出来ると良いですね。管理組合の方に総会の議事録や運営方法などを伺ってみるのも一つの方法です。
ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。