スムーズな理事会と総会の運営のポイント
今回は、管理組合の業務の中で最も重要な「理事会」と「総会」を取り上げます。この二つの会議を通じて、マンションの様々な問題解決がなされていきます。
管理組合の業務範囲は、建物や設備の修繕計画や資金計画の作成、日常的な問題の解決、規約や細則の変更、予算の作成や執行など、その業務は多岐に渡ります。
理事会の役割
理事会は、所有者の中から選ばれた「役員(理事など)」の数名が中心となって定期的に会議を行います。「役員(理事など)」は、所有者の代表ですから、さながら議員といったところでしょう。
会議は「物事を決定する場」である
ここで重要なのは、会議は「物事を決定する場」であるということです。役員さん達は普段は忙しく仕事をしているので、皆さんの予定を合わせて何度も集まることも大変です。
だいたい、毎月第2水曜日の夜とか、偶数月の第4土曜日の午前中とか、予定を立ててしまうとスケジューリングは楽になります。
理事会の出席するときは、役員全員が議題の主旨を把握し、ある程度の意見や結論を持って臨む必要が有ります。会議で結論が出ないと、ダラダラと話が行ったり来たりしてしまいます(会社の会議でもよくありますね…)。
事前の資料配布など事前準備が重要
そのためには、理事会の事前準備が重要ですね。事前に資料を配布するとか、議題にしたい事項は予め伝えておくとか。段取8割ですね!当日の理事会で唐突に話が出ても、何も準備が出来ていません。
管理会社の担当者や関係者とも頻繁にやり取りしながら準備を進めていきましょう。E-Mailを使えば、役員同士の情報や議題の共有や資料の閲覧などは難しい作業ではありません。
E-Mail上で、議題の問題点、検討すべき項目、質疑など分かれば、次の準備をスムーズに進められます。管理会社の担当者を巻き込んで、早め早めの準備を心掛けましょう!
他の所有者に対してのアナウンス
管理会社もダラダラと何度も同じ議論をするよりも、その場で結論が出る方が仕事がスムーズで助かるはずです。また、他の所有者に対して、理事会で何を議論しているかを広報することも重要です。
理事会の議事録を掲示したり、修繕積立金の見直しなどの重要な議題がある場合は、積極的に進捗状況を報告していきましょう。
理事会のポイント
①スケジュールは事前に決めてしまうこと
②事前準備をしっかりやること
③管理会社の担当者を巻き込むこと
④できるだけ、その場で結論を出すこ。
⑤他の所有者へ積極的な広報と進捗報告を心掛けること
とにかく、早め早めの準備を心掛けましょう。
総会の役割
年間数回の理事会での会議を経て、管理組合運営において最重要業務の「総会」を開催します。総会では、諸法令や管理規約に基づき、直近の管理業務と収支決算報告等のいくつかの議案を審議しないといけません。
通常総会での主な議案
①当期の業務報告及び収支決算の報告
②次期の業務計画及び収支予算案の提案
③次期の役員の選出
④管理委託契約の更新(管理会社へ業務委託している場合)
管理規約の変更、使用細則の変更、ペットの問題、管理組合運営にとっての重要な事項があれば、それを審議致します。
タイムスケジュールが重要
役員の皆様が総会で最も気にしないといけないのは議案ごとの時間配分です。管理会社の担当者と相談し、大まかなタイムスケジュールを作っておきましょう。
総会の時間は2時間程度が目安でしょう。特に問題や審議することが無ければ1時間程度で終わります。ただ、審議する議案が多い場合は時間内に終わらないこともあります。
また、総会の議案とまったく違う話に脱線していってしまうこともあります。。そういったことが予測される場合は、総会の時間を長めに取っておくことをお奨めします。
役員の皆様は議案の主旨や経緯について理解していますが、他の出席者の皆様は分からないことも多く、質疑も多くなります。修繕積立金関係、大規模修繕工事関係などは慎重に審議する必要もありますので、余裕をもった時間配分をしましょう。
次期役員の選出も事前に承諾を貰っておく
また、次期の役員の選出についても、事前に次期の役員就任予定者の承諾を貰うなどして、スムーズに選出しましょう。。当日、「誰か理事長やる人いませんか~?」と言っても、おそらく、どなたもいないはずです…
とにかく、総会は年に1回、所有者の皆様が顔を会わせ、自分達のマンションについて意見交換する場です。日頃の理事会活動の延長線上にあります(日頃の活動内容の報告などが重要になります)。
スムーズに議事を進行し、スッキリした気持ちで閉会し、次期の役員さんへバトンをつないで下さい。