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メリットは費用だけではない? 大規模修繕の足場無し工法

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最近では「無足場工法」と呼ばれる足場無しの施工法で修繕工事に取り組むマンションもよく目にするようになりました。

この記事をご覧の方の中には、自身が管理する建物の修繕工事を検討されている方もいるでしょう。実際に足場が有る場合と無い場合では、どのように異なるか知っていますか?

今回は、足場有りの工法と比較した場合の足場無しの工法のメリットについてまとめました。

足場有り工法

そもそも足場は外壁の塗装やひび割れの補修を行う際、職人たちが手を伸ばしても届かない場所を施工できるように設けます。また必要な資材などを運ぶ際には、通路として利用できます。

足場無し工法

足場を組まずに行う施工法は、基本的に空中で工事・作業を行います。作業員の身体にフックを付けて屋上から垂らしたロープにぶら下がる方法と、高所作業車にゴンドラやブランコをつないで、その上に作業員が乗って利用する方法があります。

足場無し工法のメリット

費用が安い

足場を組む場合、多くの人材や鉄パイプといった資材が必要になります。足場無し工法は足場代を抑えることができるため、足場を利用する工法に比べて費用が安くなります。一般的に足場を利用する工法の相場は以下の通りです。

■足場有り工法の費用の相場
マンションの階数 費用の相場
3階建て(780㎡) 150~400万円
4階建て(1030㎡) 350~550万円
5階建て(1290㎡) 450~650万円
10階建て(2600㎡) 900~1200万円

足場の相場は費用のおよそ20%だと言われます。足場無し工法の場合には、ロープやブランコを利用しますが、それらの費用は安全対策費として算出されます。

目安としては2週間で13万円程度です。足場無し工法の相場は、上の費用を基に算出できます。以下は、3階建ての場合の足場無し工法の相場です。

150~400万円 × 80%(足場費用抜き)+ 13万円(ローブ・ブランコ代)=133万円

以上の算出法で計算した結果、以下の足場無し工法の費用の相場となります。

■足場無し工法の費用の相場
マンションの階数 費用の相場
3階建て(780㎡) 133~333万円
4階建て(1030㎡) 293~453万円
5階建て(1290㎡) 373~533万円
10階建て(2600㎡) 733~973万円

施工期間が短い

足場無し工法の場合は、足場に関する手順を省くことができますので施工期間が短いです。足場を組み立てる場合は、外壁などの補修に入る前に足場を組み立てるところから着工し、工事が終わった後に足場の解体を行う必要があります。

マンションの規模によって大きく変わりますが、足場有り工法は、組立てと解体毎で約一週間~の施工期間がプラスされます。

防犯面も心配が少ない

マンションの住人の方にとって修繕中に意外と不安になるのが防犯面ですが、足場無し工法の場合は不安を与える可能性が少ないです。足場を利用した修繕の場合、誰でも容易に登れるようになります。そのため、足場を利用してベランダに侵入されるなどの危険性が発生しまうのです。

マンションの景観を保てる

足場無し工法は、修繕作業を行う場所にだけシートやネットを被せるため、マンションの景観を壊す心配がありません。足場有り工法では、人や物の落下防止を目的として足場の周りをネットで覆います。その結果、住人に不安やストレスを与えてしまうこともあるのです。

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多くのメリットがある足場無し工法ですが、もちろん注意点もあります。丸みを帯びた建物やひさしのように付き出している部分がある建物には、屋上からロープで垂直に降りられないため、基本的に利用できません。

また足場無しの工法は、作業者の熟練度によって工期に影響を与えやすいです。仕上がりに関しても、管理側は細かく確認できませんので作業者に一任することになります。

マンション管理会社の方などは、ご自身の管理する建物で大規模修繕を行う際、施工場所や状況などを考慮して柔軟に選択されることをオススメします。

ライター:高木たいじ
某有名不動産ポータルサイトの運営会社にてサイトデザイナーとして勤務を経て、フリーとして活動。不動産ポータルサイト運営時代のノウハウから豆知識、ハウツー系の記事を得意とする。

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