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マンション管理士による管理費削減に要注意

公開日:  最終更新日:2014/11/28

マンション管理士の管理費削減に要注意s

マンション管理士の業務内容の主たる商品は「管理費削減」と言われております。ノウハウや経験豊富なマンション管理士の場合は人的トラブルの解決など多方面にご活躍されているようですが、一般的には管理会社イジメといっても過言ではない見積もりを持ってこられる事が多いようです。

マンション管理士の方のHPを拝見させて頂いておりますと、「現行の管理費より20%~30%程度の削減が可能です!」などのキャッチコピーとともに減額成功に至ったケースが紹介されていたりします。

中には「エレベーターや自動ドアなどのメンテナンス日が不自然な為、管理会社を追求すると実際に仕事をしていなかった事が判明しました」などと記載されたりしておりました。

通常、自動ドアやエレベーターのメンテナンス時には独立系であれ、メーカー系であれ、メンテナンス報告書が当日に提出されます。

エレベーターに至っては、一時的にエレベーターが使用不能となりますので、住民向けのメンテナンス告知が掲示されるなどしますので、「メンテナンス日が曖昧」なケースは考えにくいのです。

また、支払いについては毎月の理事会で収支報告を受け、毎月の理事会議案の中には共用部のメンテナンス報告書のコピーが添付されているのが一般的なケースです。

そして総会後には監査が領収証をチェックいたしますので、管理組合が正しく機能している場合、仮に上記のような「不自然なケース」があったとしてもマンション管理士がチェックする以前に管理組合が気がついている筈です。

大胆な内容に「私のマンションは大丈夫だろうか?」と不安に駆られる方もいらっしゃるかも知れませんが、落ち着いて内容を読めばおかしい点に気がつきますので、くれぐれもご用心ください。

「管理費が安くなります」で大失敗

「エレベーター保守管理費が高すぎます。私が紹介する独立系メンテナンスの場合は現行の3分の1になります。」と、マンション管理士に進められてエレベーター保守管理会社を変更したAマンションの管理組合の場合。

マンション管理士はエレベーター保守管理契約にはフルメンテナンス契約とPOG契約の2種があること、その契約内容について全く説明をしておりませんでした。

A管理組合が新たに契約したのはPOG契約で、以前の契約はフルメンテナンス契約でした。尚、POG契約はメンテナンス時に不具合のある部品などを都度、実費で修繕していく形になりますので、毎月のメンテナンス代は低く設定されています。

フルメンテナンス契約は、消耗交換部品など予想される金額プラスαが月々のメンテナンス代に含まれておりますので、割高になっております。

金額的にはPOGの場合は3分の1程度までメンテナンス代を抑えることができますが、フルメンテナンス契約が長い場合などは一番高額な昇降ロープの交換代などを先払いしているという形になりますので、メンテナンス会社を切り替える場合などは注意が必要です。

Aマンション管理組合の場合、管理会社の反対を押し切って、勝手にエレベーター昇降ロープの交換時期目前での契約会社変更をしてしまった為、3ヵ月後に30万程度のロープ交換費用を請求されるというトラブルに遭われたそうです。

成功報酬で仕事を請けることが多いマンション管理士の場合、「区分所有者の為の管理費削減」ではなく「成功報酬を受ける為の管理費削減」により、必要な項目を削ってしまう可能性があります。削減された内容がいったいどのようなものであるか?は慎重に調査する必要があります。

管理会社の努力

以前は「デベロッパー開発マンション=子会社の管理会社が管理委託」の公式通り、途中で管理会社が変更される事は極めて少なかったのですが、消費者のマンションに対する意識が「終の棲家」へと変化しており、自己所有財産を守る為の意識が強くなった結果、状況によっては管理会社を途中変更するということもあるようです。

ナビ美が知っております管理会社の場合は、自社努力やフロントの努力やサービス精神で管理組合から指摘される前に様々な経費削減努力をしておられます。

そのような会社さんは少なくありません。魅力的なキャッチコピーに惑わされず、まずはご自身の目で管理費内訳をご確認されて、不明点はフロントに確認するなど外部に頼る前に出来る事を行いましょう。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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