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マンションの無断駐車問題を解決するためにやってはいけないこと

公開日:  最終更新日:2016/09/13

無断駐車問題

分譲マンションでの居住者間マナートラブルの最大のお悩みは違法駐車なのだそうです。国交省のマンション総合調査で平成11年度の第1回から連続4回、トップの問題となっております。具体的にマンション内での違法駐車というのは、どういったものがあるのでしょうか。

※国交省のマンション総合調査の資料内には違法駐車という表記がありますが、おそらく無断駐車の意味で使われていると思われますので、本記事内では無断駐車に統一します。

無断駐車問題には警察は介入できません

ナビ美も経験があるのですが、帰宅して自分の駐車スペースに車を止めようとしたら、見た事もない車が止められていたことがありました。

無断駐車問題には警察は介入できません

若かりし日のナビ美は「むっ!不法侵入だから、警察に電話してレッカーしてもらおう」と考え、警察にお願いした事があります。残念ながら警察は道路交通法違反として駐車違反は取り締まれるものの、私有地内は基本的に不介入となります。

この時は管理会社に連絡を取り、間違えて駐車されている方に連絡を取っていただくことで問題を解決させた記憶がありますが、住民でない方の車の場合は対応が非常に難しいですね。

無断駐車ではないのですが、ナビ美の職場の近くにあるコインパーキングに1ヶ月以上、同じ車が駐車されたままのパーキングスペースがありまして、毎日その動向をチェックしているのですが、こちらも大変に難しいようです。

自力救済の禁止

実は日本の法律では、法的手続きをしないで実力行使で権利を取り戻すことを禁じられています。

自力救済の禁止

民間のレッカー屋さんにお願いして勝手に敷地外に車を出したりすると、無断駐車をした相手から不法行為を行ったとして損害賠償を請求される事も考えられるのです。もし、「移動中に車に傷がついた」などがあった場合は、その傷を直す損害賠償責任も発生することになります。

ナビ美の知っているマンションでは「無断駐車を見つけた場合はタイヤをロックします」という看板があげられており、実際にロックされた車もあったそうなのですが、これも相手が悪い場合は損害賠償を請求される恐れがありますので、本当は実行しない方が良い方法なのです。

では、相手から訴えられずに、効果のある無断駐車対応法には、どのようなものがあるのでしょうか。今回は無断駐車のレベルに合わせて対処できそうな方法を幾つかご紹介してみたいと思います。

まずは予防と警告から

コーン

「無断駐車がある」=「駐車しやすい環境」であると考え、まずは敷地を確認してみてください。その上で駐車禁止の看板を設置したり、フェンスやコーンを立てるなどして簡単に駐車ができない環境を作りましょう。

すでに無断駐車が敷地内にある場合は、その車に張り紙などの警告をします。文面は「ここは私有地ですので駐車しないで下さい。次回無断に駐車された場合には駐車代金として○万円をいただきます。」や「無断駐車車両につき、罰金○万円を支払って頂きます。○○管理組合」などで良いでしょう。

あまり高額な罰金は効果が半減しますので、無謀な金額を記載しないようにしてくださいね。また、執拗に罰金を請求すると恐喝罪にもなりますから、行き過ぎない程度の警告にとどめてください。

また張り紙の際は、よくフロントガラスにガムテープで止められる方がいらっしゃいますが、テープ跡などを逆手に文句をつけられることもありますので、ワイパーに挟んだり、テープ跡が残らないもので止めるなど、相手から付け込まれる隙を与えない気配りで対抗しましょう。

自動車の所有者に直接警告する

偶然、持ち主が表れた場合は直接に注意するなどで対応が可能ですが、いつ表れるか分からない持ち主を深夜や早朝に待っているなんて出来ません。

無断駐車

繰り返し無断駐車を行う自動車場合は所有者を調べて、直接持ち主に警告する方法が有効です。所有者を調べるのは意外と簡単で陸運局で自動車の「登録証明取得申請手続き」を行う事で所有者が特定できます。

必要書類は、無断駐車している車のナンバープレート番号と「私有地放置車両関係位置図」と証拠写真を添付すれば、所有者を教えて頂けます。

無断駐車を行う人の大半は「どうせ、誰だか分からないだろう」という軽い気持ちで無断駐車をしている場合がほとんどですので、直接相手に警告を発するこの方法は大変効果的です。

また、地域の交番担当者の方や迷惑駐車の状況によっては警察の方で所有者を特定して注意を促してくれる場合もありますので、常習的に無断駐車をされる場合は写真などの証拠を残しておいて、警察に相談をするという方法も一手です。

警察の協力を得る為に

警察介入

冒頭で警察は私有地の無断駐車に対しての取り締まりは行ってくれないと書いておりますが、同じ車が繰り返し駐車される、長期間駐車されるといった非常に悪質なケースの場合は、「駐車違反」ではなく「車庫証明を偽っている可能性あり」として、警察が介入してくれます。

警察に相談する事で、私有地に無断で侵入したとする建造物等侵入罪で告発する事もできます。悪質性が疑われる場合は証拠写真を撮っておくことをお勧めいたします。

最終的に法的措置

法的措置

先ほど、「建造物等侵入罪」に触れましたが、相当に悪質なケースな場合は長期化が想像されますので「訴訟」となる場合があります。

訴訟を起こす際は、土地の所有権を侵害されたとして損害賠償を請求する方法や土地所有権に基づいて車の退去を求める方法などが考えられます。

この場合は弁護士さんにお願いする事になるかと思いますので、費用などを計算して臨む必要があります。裁判となると、時間的制約や精神的ストレス、金銭的な負担など相応の覚悟が必要となります。

何事も「初めが肝心」です。放っておくと違反者さんは「大丈夫かも」と解釈し、無断駐車を助長させてしまう可能性もあります。無断駐車を見つけた際は早期対応、断固とした対応でご自身の財産を守ってください。

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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