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管理費値上げの最大の原因は駐車場問題

公開日:  最終更新日:2014/12/01

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分譲マンションオーナーの皆様は、毎月一定額を管理会社にお預けしている事と思いますが、この金額の内訳をきちんと把握していらっしゃいますか?今回は、管理費について詳しく掘り下げてみたいと思います。

そもそも管理費とは?

皆様が、毎月数万円程度をお預けしているお金は、管理費と修繕積立金に大きく分けれらています。この中で、管理費というのは簡単に申し上げますと1年間で使い切ってしまうお金とお考えください。

管理費に含まれるもの

まず、大きなものは管理会社への委託業務費です。受付、清掃、施設簡易点検、報告連絡業務を担う管理人様はトラブルが起こった際スムーズに管理会社に連絡できる様、基本的に管理会社から管理人様が派遣されることが多く、管理人様人件費も含まれる事がほとんどです。

消防点検、エレベーター、自動ドアの保守点検、排水設備清掃などの共用設備の保守維持メンテナンス費が含まれます。

他には、共用廊下やエントランスなど共用部で使用する電気、水道といった光熱費総会で使う会議室などの使用料を含む管理組合運営費、管理人様がお知らせなどの告知に使う掲示用品などの消耗品費、電球交換、業務連絡に使う電話代、切手等の通信費、別途、マンションのごみ収集を依頼している場合などごみ処理費など。

マンション共用部にかけている火災保険料や、小額の補修、窓が割れた、管理人室の鍵が壊れた、少しペンキを塗り替えるなどの軽微な補修、修繕費や町内会費(但し管理組合として加入していないのであれば不要)

以上のような経費が管理費とされています。ざっと見ていると、毎月どれくらいのお金を使うか?年間でどれだけ使うか?が見えるお金であるとわかりますよね。

基本的に管理費は年間に使うお金の額が概算ではっきりとわかりますので、本当に必要とされる一人頭の管理費金額が簡単に計算できます。

具体例

例えば、総戸数50戸のマンションで管理費として年額400万程度を使っているとします。通常は、専有面積に応じて管理費額は上下しますが、今回は単純に戸数で割りますと、400万÷50戸=8万(年額)が1戸あたりの負担となります。

これが、増税前の負担額で変更がないとすれば、将来的な増税を見越し20万UP1戸あたり500円程度の管理費値上げをする事で、安定した管理費運営が出来るのです。

今回は、「増税」という事で管理費値上げを検討しなければいけませんが、基本的に管理費は将来的に金額の増減がほぼ無いと考えられますので、管理費が値上がりする事は考えられないといえます。

管理費が値上がりする場合

前項でも書きましたが、マンション共用部の維持管理に支出される年間の諸費用を算出し、それを専有部分の総面積で割って㎡当たりの単価を算出し、これに床面積を掛けて各戸の負担額を算出しています。

管理費の中には専用庭の使用料、バルコニー使用料が含まれ、駐輪場や駐車場の使用料を含むマンションがほとんどのようです。他に預金利息や配当金、雑収入も含んだ金額が管理費予算として考えられます。

管理費が値上がりする近年の最大の理由は「駐車場使用料」になります。近年の「車離れ」により、マンションが想定していた駐車場利用者数が想像以上に少なく、管理費を赤字にしてしまう現象が最近よく問題になっております。

今後の課題

管理費運営が満足に出来ていた時には誰しも気にしないものですが、駐車場使用料は、駐輪場や専用庭などに比べると使用料金額設定も大きく、場合によっては管理費の3分の1~半分を駐車場使用料に頼っている管理組合も少なくありません。

駐車場は入居者が車を所有していて初めて成立する使用料ですので、利用者がいなければ存在しない費用となります。管理費は年額で消費する金額が必ず決まっているのですから、今後、管理費は不定額な使用料に頼らず、実質必要管理費額を負担する方式に変更する方が良いかも知れません。

特に機械式駐車場の場合は、メンテナンス費用、将来的に大幅な修繕費が発生することが想定できることからも管理費や修繕積立金とは分離して駐車場使用料=メンテナンス費+将来的な修繕費として管理する方が、後々のトラブルに繋がらない運営方法のひとつではないでしょうか?

ライター:マンションナビ美
不動産系会社勤務を経てフリーで活躍。自身も分譲マンションのオーナーとして、大規模修繕や、理事会役員を経験する。実体験からマンション業界を分かりやすく解説する。

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